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2008/10/23

CEAとPRA その3

前回の記事から随分と時間が経ってしまいました。まさに間抜けです(^^;)すみません。

先日、MDR-1 遺伝子欠損についてのDNA検査と一緒に、ロイロイはCEA/CH(コリーアイアノマリー)のDNA検査もお願いしてありました。今回お願いしたのはKAHOTECHNO(有)ですが、結果が出るのがとても早かったです。先週の木曜日に出して、水曜日には判明しました。

結果は本体サイトにもアップしましたが、ロイはキャリアでした

血統から予想はしていたので、特にショックはないのですが、正直「残念」という気持ちはあります。私の残念は、個体の健康状態に対してではなく、これで「たみことのブリーディングは望めない」ということへの失望感です。(ロイ本犬は今のところいたって健康であり、眼も問題なく機能しています。)

CEA/CHに関しては、良いニュースと悪いニュースがあります。

良いニュースは言うまでもなく、DNA検査が利用できるようになったことであり、悪いニュースは、それによってボーダーコリーにおいては、2割程度のキャリアの犬がいることがわかったことです。

この2割の根拠は、Border Collie Health のサイトから、CEA/CHの検査結果を公開しているデータに基づいていますが、これは全世界的なものであり、世界的な傾向としては、DNA検査施行当初からみると、キャリア犬の割合は、わずかながら下がっているようです。これは、施行後数年が経過し、諸外国のブリーダーの間では、DNA検査が浸透しつつあり、それによって、キャリアが減少傾向にあるからではないかと思います。

が、しかし、わが国はどうでしょうか? まだまだ一般的な検査とは言い難いようです。それに加えて、Border Collie Health のサイトにアップされている日本のデータをみると、キャリアは2頭しかいませんが(そのうちの1頭がGypです)、もう1頭は、日本のボーダーコリーの黎明期を支えたメジャーな血統の犬です。つまり、これが意味することは、このラインから相当数のキャリア犬が、生まれている可能性があるといことです。

こちらは、いわゆるオーストラリアのショードッグのラインですが、ワーキングラインが安心かというと、全くそんなことはなく、我が家にいたっては、検査を受けた4頭中、2頭がキャリアで、なんとキャリア率5割ですよ>奥さん(^^;)

日本のボーダーコリーは、ワーキングラインもショーラインも、ともに最初は非常に限られた犬たちから繁殖されてきました(当たり前ですが)。ワーキングラインでは、多分、現在日本にいる犬たちの7~8割が、何らかの形でかかわっているだろう、メジャーな犬舎出身の友人の愛犬が、CEAキャリアと判定されていますし、このラインからの犬で発症している犬もいます。

要するに日本のボーダーコリーにおける、潜在的なCEAのキャリア率、発症率は、諸外国のそれより、はるかに上回る可能性があるのです。いえ、確実に上回っているでしょうね。

ですが、「え~そうなの?こわ~い!どうしよう」って、そんなに焦る必要はないと思います。

第一にボーダーコリーにおけるCEA/CHは、そのほとんどが、CHであり(Optigen サイトの米コーネル大 Dr. Aclandの記事中の表を参照)、視力には「ほとんど影響しない」ものだからです。ただ、コロボーマ(欠損)がある場合、その位置によっては視力に支障をきたすでしょうし、一例ですが、身近で網膜剥離を起こした例も聞いています。

今現在、生活に支障がないのであれば、仮に眼底検査で「発症」と診断されたとして、臨床的には問題が起きていないのですから、特に焦って何かをする必要はないでしょう。

ただ、Optigenサイトで表で示されているデータより、日本の方が発症犬自体が多いでしょうし、それに伴って、よりシビアなグレードで発症している犬も、多くなっているかもしれません。そこは注意喚起されるべきですね。

オーナーサイドでは、状態を知ることしかできませんが、繁殖者サイドでは、今すぐにでも始められる対策がありますね。そう検査することです。

私は、DNA検査を受けて、自分の犬がCEAキャリアであったからといって、即ブリーディングストックから外すことはしません。それは諸外国のブリーダーたちもそうですし、ISDS、ABCAなど、各団体の意向も同様でしょう。DNA検査をブリーディングの一つのツールとして活用することで、「キャリアだけれど、優秀な犬」を繁殖プログラムから外すことなく、残すことができるからです。

キャリアの犬とクリアの犬を交配した場合、当然キャリアは生まれてきます(確率的には50です ←*ごめんなさい訂正しましたm(__)m)。キャリア犬を繁殖に使用したブリーダーは、子犬のオーナーにそれが意味することを説明するべきであり、その子犬を将来交配に使う場合は、同様にDNAテストを受けさせる旨、徹底すべきでしょう。

ちなみに当犬舎では、Gypの子犬に関しましては、説明はもちろんですが、原則的に「繁殖不可」にてお譲りしています。子犬のオーナーたちは「その犬と楽しみたい」ということが第一であって、「繁殖」に関して何やら小難しいことを勉強したり、面倒な検査を色々受けたりしたいわけではないからです。

長くなりました。CEA/CHという遺伝性疾患において、私が言いたいことはシンプルです。まず第一に「繁殖する個体は検査を受けましょう」ということと、「オーナーさん方は、いたずらに怖がらないように」ということです。(だって、奥さん。ラフコリーなんて、7割近くが発症犬ですが、そんなこと「気づいてない」オーナーが、ほとんどなんですから、ボソッ)

MDR-1については、また後日(検査を受けたウチの3頭はすべてクリアでした)。

余談 : ロイのCEA遺伝子は、かのBwlch Hemp由来の由緒正しい?遺伝子です(^^;) ということは元をただせば、AledのBenですから、「来るべくして、私のところに来たのだな」という感じです(^^;)

余談 その2: Border Collie Health で公開されている、日本のTNSの結果も考えさせられますね。キャリアと判定された1頭の血統は、現在の日本のボーダーコリーたちの多くが祖先に持っているラインです。さらに、サイトの発表を見ると、日本からの検体20頭中、5頭のキャリア犬がいることが判明しています。

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コメント

TNSのlitter、結構考えさせられますねぇ。

Craig59425のラインとDavy131049のラインのクロスしたところの、そのすぐ先にキャリアがいるということ。

遺伝子はこっちからじゃないなんていう議論が成立しにくいほど、この子達IDSDは、つまるところ、ほとんど同じラインの犬達ですもの。つまり、たくさんいるという事でしょね。

ISDS実働犬では、遺伝疾患を持つ子は、結局繁殖ラインからはと淘汰されるのでしょうけど、今は、実働の犬達の子供がペットとして、スポーツドッグとして、一般家庭にいきますものね。

ふ〜〜〜〜〜む、ですね。

投稿: kuro | 2008/10/30 12:27

そうそう、前から言おうと思っていたのですけど、

ベンゾウ君のペディグリにいる、HIGHGATE BEN174224は、かのDAVYの息子で、うちのディボスケのお父さんの胴胎、だと思う。確か、番号が並んでいたような・・。

っで、この子も、SH.champだったと思いますだ。

投稿: kuro | 2008/10/30 17:43

>kuroさん
TNSの発症犬は、実働の現場では、「成長不良の子犬」として淘汰されてきたかもしれませんね。

今は、病名がつき、DNAテストもできるようになりましたが、ファーマーたちへの普及はどうでしょうか? CEAに関してはテストを受ける方が増えているようですので、今後は、もう少し身近なところで検査が受けられるようになれば、多少は増えるかもしれませんね。

TNSに関しては、思うところはあるのですが、ちょっとここには、まだ書けないのです(^^;) 覚えてたら、また、お会いした時にでも。

>kuroさん再び
HIGHGATE BEN様は1993年のシュープリームチャンピオンシップの8席です。

ということで、HIGHGATE BEN様もDAVYの有名な息子ですよね。あちこちの血統でその名前が見られますもんね(^.^)

でで、ディヴォさん、やっぱり生前に一目会いたかったですわ(T_T)

投稿: あびちょ | 2008/10/30 23:50

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